雑記

夏の間にプレイしたい、と思ってたゲームがありまして。

もちろんホラーゲームなんですが、パラノマサイトというゲームでして。

見た目がスゲェホラーっぽい感じなのに、中を開いてみたらミステリ色の方が強かったよ。

でも、それはそれですごく面白かったよ。

 

ADVをまともにプレイするのって、たぶんレトロチカぶりだと思うんだけど、本作はロープライスのゲームでして。

スチームでも2000円で購入出来て、どうやら別のプラットフォームでも購入できるそうな。

とてもお得なのに、じっくり八時間程度プレイ出来て、しっかり面白かった。

2000円じゃなくてもう少し高くても良いから、ボイスもついてくれるとなお良かったな、とは思うけど、それもたぶん、良し悪しなのよね。

ボイスがついてないことによって、プレイヤーがそれぞれ思い描くCVが出来て、それを聞いてみる遊びが出来て楽しいだろうし。

でも、テキストを読みながら画面が変化するのを見ていられない、視野狭窄気味の俺だと、ボイスありの方が良かったかもなー、とは思う。

 

お話としては導入が『呪いを操る力を持ってしまったキャラクター達が、呪いで他人を殺す事で黄泉がえりの秘術が使えるようになるので、頑張ってデスゲームしましょうね』みたいな感じで、あー、なんか意外と能力バトルみたいなことするんやろか? と思って進めてみたら、これが全然。

思ったより人が死なない。

この手のストーリーの中で、キャラクターに常識というか、モラルというか、そう言うものが意外と残ってて、そうでない人間にもストッパー役になる人間がいたりして、言うほど呪い合戦してバトル! みたいなことにはならなかったね。

むしろ本筋は、呪いバトルの横で起こっている、もしくは起きてしまった事件の解明なんかの方で、舞台としては呪いバトルの土俵に立ってるんだけど、やってることは謎解きなのよ。

公式ページを見てきたら、ホラーミステリADVと銘打ってて、純粋なホラーではなかったね、って感じ。

別にそれがマイナスにはなってないんだけどね。お話も面白かったし。

最後の名前入力のギミックに気が付いた時も、スゲェ楽しかったよ。

 

ギミックも結構ゲームとしてのシステムを活かしてて、それがメタ的で嫌いと言う人もいるかもしれないけど、俺はそう言うのも心地よかった。

ADVっていうのはとにかくテキストを流して選択肢を選んで、ってことに終始しがちだけど、本作はそれ以外の部分を選ばせることによってゲームが進んだりするし、そのメタ的行動にも事前に伏線を貼ってたりするので、それほど唐突感もないし、後々ちゃんと納得させるための理由付けもしてくれるので助かる。

俺としては『ゲームは双方向性』というのを実感出来てとても良かったと思う。

俺がゲームに影響して、ゲームがその反応を返すって感じ。

それもまぁ、言ってしまえば『制作側の思惑通りに進めてる』ってことなんだけど、『あ、そーいうことね!』っていうのがちゃんと納得できた。

 

あとキャラクターね。

一人ひとり、とても魅力的で男女ともに良いキャラばかりだったよ。

女性キャラはいちいちえっちな仕草とか表情とかするし。

男性キャラもユニークでちゃんと役どころが際立ってるな、って感じ。

俺は特に支岐間マダムとリヒタくんのコンビが好きで、マダムの色っぽさに初登場からやられっぱなしだったわ。

リヒタくんもあんなアバンギャルドな見た目なクセに、探偵業を営んでいるからかスゲェ理知的でロジカルなのよね。

その二人が作中ではコンビを組んで事件に挑んでるんだから、マダム視点の時はとても楽しかったわ。

 

総合して2000円として充分以上の出来だったと思う。

プレイ時間も八時間程度とそれほど重たくないし、ここは値段相応かな、と思う。

でもビジュアル面やテキストを勘定に入れれば、絶対2000円以上の価値があると思うわ。

スゲェ面白かった。