零紅い蝶リメイクの一周目をクリアしたので感想を書きに来たよ。
最初に総評を書いておくけど、良いリメイクだったと思う。
原作よりも行動範囲が増えて、村の解像度がめっちゃ上がったのは最大の評価点だと思う。
ボチボチ不満点もあるけど、総合的に見れば圧倒的に良い作品だった。
一個一個見ていくと、原作の良さというのはしっかり再現出来ている。
元々、PS2版の紅い蝶はZEROに比べて設定やストーリー周りを深掘りしつつ、アクション面を薄味にした感じだった。
贔屓目に見てもPS2版の紅は、戦闘面で良いところなんかほとんどなかったと思う。
頑張って褒めるなら『簡単』である事ぐらいだと思うね。アクションが苦手な人間でもあれぐらい簡単ならクリアまで到達できそう、って感じ。
反面、ストーリーやキャラクターに関しては、ZEROで『もうちょっと詳しく教えてくれんか?』みたいなところもしっかり描けていたと思う。
顕著なのは氷室当主と黒澤当主の扱いよな。氷室家の当主には名前が設定されてないんだもん。あれだけボスキャラとして魅力的なのに。
それが紅では色んなキャラクターに設定付けがされていて、霊石によって心情が語られたりするので、モブの怨霊なんかにも思いを馳せるだけの余地があるんだよね。
そう言う面において、リメイクでもしっかり描けており、加えて霊石の追加なんかも行われていて、とても良かった。
中でも宮司の霊石の一つで『紗重を無理やり殺して虚に放り込んだけど、儀式が失敗するんだったら紗重も逃がしてやればよかった』みたいなことを吐露しているヤツがあって、それはすごく心に来たね。
そう言う外野の深め方がとても良く、それでいて原作にあった双子周りのお話や立花家の兄妹の関係性なんかもきちんと原作から遜色なく持って来ていて、紅い蝶という作品の魅力を損なうことなく、むしろ魅力を増してリメイクできていると思うね。
変更された点に関して、特筆したいのが村の大改装。
原作ではメインストリートみたいな道路の周りに存在している四家と、あと御園、墓地、朽木、神社くらいが行ける場所だったんだけど、それだってZEROから比べたら相当マップも広がったねぇって感じだったの。
マップが広がる事で閉塞感が失われて、ホラーとしては恐怖も薄れるかも、って懸念はあるかもだけど、それはそれとしてだ。
リメイクでは四家の周りの外側が拡張され、民家が並ぶ区画へ行けたり、墓地がちょっと広がって影塚って場所に行けたりとか、桐生家の隣に謎のお堂があったりして、村がちゃんと村として成立してそうな雰囲気が感じられた。
原作では容量の問題とか、表現力の問題とかあったんだろうけど、それにしたって村と呼ぶにはちょっと狭すぎんか? と思ってたのに、リメイクではめっちゃ広がってんの。
これだけでもすごく設定の補完というか、村を感じられて良かったのに加えてですよ。
原作では立ち入れなかった槌原家の家屋内、メインストリートに面した立花家の縁側、神社の周りなどにプレイヤーが立ち入れるようになってて、地味ながら行動範囲の拡張がされててとても良かった。
なんでここに入れねぇんだよ、っていうのが解消されて、自然な形になったのがとても良かったって感じ。
家の中身も眞紅を基本にしつつ、色々手が入ってるっぽくて、黒澤邸の廊下の外に出られたりとか、桐生邸もなんか部屋の配置とか変わってたりした感じがある。
正直、眞紅の方はあんまり記憶に残ってないからアレなんだけども……。
とにかく劇的ビフォーアフターされてて、その改変後もとても良かったから、良かった。(こなみ)
もう一つ大きく改変された要素として、戦闘面がある。
これはマジで大きく変わってて、原作だと敵の攻撃を釣ってフェイタルフレームで連射するだけの単調なモノだったのが、劇的に変わりまして。
まず射影機の性能がビックリするほど変わっていて、四つのフィルターと、それに対応する特殊レンズという形に生まれ変わり、また敵に与えるダメージに関しても距離を測る原作のタイプではなく、フォーカスポイントと呼ばれる『敵をフレーム内にどれだけ収められてんのよ?』を判定するポイントによってダメージが増減するタイプになった。
これによってしっかり敵をフレームに収める必要があって、かつ射影機を成長させる時の選択肢にもなってた。
射影機を育てる事でフォーカスポイントの判定される点を増やす事が出来て、さらにダメージを与えられることが出来るよ、って感じ。
また原作よりも各種フィルムの特徴が顕著になっており、戦闘時の選択の幅が出来てた。
〇七は戦闘力は低いものの、枚数が無限で残数を気にすることなく戦える。
六一は中盤から後半にかけてとんでもない威力を叩きだす火力バカ。装填は遅いものの、それも射影機の性能やお守りで補助出来る。
九〇は装填速度がピカイチで、連射に長ける。その分ダメージは控えめなものの、照射フィルターを使えば火力も補える。
一四は中間的な性能で、器用貧乏というよりは安定した性能。連射速度、火力、共に充分であり、マジで困ったらコレみたいなところがある。
それぞれに良いところがあって、同時に短所も持ち合わせるという塩梅が良くて、戦闘の選択肢として選ぶだけの価値がある。
基本は一四で良いんだけど、各フィルムには当然所持上限枚数があって、一四ばっかり使ってると、本当に使いたい時に使えなかったりするのよ。
だから一撃で短期決戦を行いたい時には六一を使ったり、多人数戦でとにかくバシバシ連射したい時には九〇を使ったり、全体の消耗を抑えたいし、ザコ相手なら〇七で充分って場面も当然ある。
またフィルターも各種良いところがあり、露出は羽化した相手に対して対応出来たり、照射はバカ火力、写影は中間性能かつ拡張性が高かったりする。
基本的には火力を出せる照射フィルター一択なんだけど、敵が羽化した場合には露出で一旦羽化を解除させたり、多人数戦では写影の方が有効だったりする場合もある。
戦闘する状況に応じてフィルターとフィルムを選ぶという行動が増えてるだけで、しっかり戦闘してる感があるよね。
原作のように、とりあえず腐るほど手に入る一四でフェイタルフレーム取るだけでヨシ、みたいな大味なモノにはならない。
……霊視フィルター? うん、青くてきれいだよね。
戦闘面に関して、もう一個書いておかなきゃならんのは敵の変化。
原作ではあんまり敵の挙動も強いモノはなかったように思えるけど、今作では一部の霊が非常に対処しにくい感じになってた。
その最たる例が飛び降りた女。桐生邸の階段で初登場するアイツ。
基本的に態勢が低く、カメラを下に向けなければならない上、フェイタルフレームが発生する攻撃が素早く、カメラの奥行でとらえづらい。
その上、掴み攻撃が二種類あり、フェイタルフレームを狙おうとするとカメラを構えておく位置に差異が出来る。
相手の攻撃前の構えを見てカメラを構える位置を変える必要があり、また素早い攻撃に対応できるだけの反応速度を見せないとフェイタルフレームで倒す事が出来ないという厄介さ。
原作でも面倒くささはあったが、さらに輪をかけて面倒くさくなっている。
次点が箱に隠れた女。
睨みと羽化を備えており、こちらを消耗させたうえで掴みかかってくる。
攻撃の際も横に大きく振れたりするので急にフォーカスしづらく、エイム力を問われる。
羽化は羽化で面倒であり、対処を間違えると一気に消耗してしまう。
この二人の霊はどちらも原作よりも多く出現するので、かなり面倒な相手だった。
無理にフェイタルフレームを狙わず、高火力の装備でババッとダメージを与えた方が結果的に楽なのかもしれない。
その他の霊も挙動が増えたりして、原作で見慣れた霊でも『アンタ、攻撃パターン増えたんか!』ってコトが多くあって楽しかったね。
逆に忌人や楔がクソ弱くなっててビビったのもある。
忌人は原作通り、目が見えない設定だからこちらで音を立てて誘導する事もあったんだけど、原作では一度ダメージを与えると、腕をブンブン振って近付いて来る行動があったのよ。
それがどうしても避けづらくて、結構ダメージを喰らうポイントだったんだけど、今作では『避ける』という行動があって、それによって忌人の攻撃を簡単に回避することが出来るようになってた。
そのお蔭で、忌人戦が全く苦ではなくなりましたね。
楔はいろいろと攻撃パターンが増えていたようだったけど、耐久が異常に減ってる印象があった。
六一で大ダメージが与えられるため、俺は一周目をクリアするのに零フィルムを全く使わずに終わってしまったよね。
また、原作であったような回復能力も見られず、一度掴み攻撃を喰らっても必殺ではなくなっているため、全体的に楔戦は異常にヌルくなっております。
ラスボスがそれでいいのかよ。
一旦倒した後に第二形態とかあるのかも、と身構えてしまったよね。なかったんだけども。
そんな感じで、霊のリメイクについては辛く見て良し悪しかな、といったところ。
ここからは不満点なんだけども。
まず戦闘面に関して、戦闘の意味があんまり感じられない事だな。
戦闘を行うと霊が退けられて、撮影した写真に応じたポイントがもらえるわけだけども……。
まず第一にもらえるポイントで交換できるものがショボい。
セーブポイントでアイテムとポイント交換ができるわけだけど、ラインナップがショボくて最後までほとんど使わずに終わってしまう。
一応、回復アイテムとお守りが交換したいと思わせてくれる対象なわけだけど……。
回復アイテムは道中で結構落ちてるし、お守りは有用なモノに対してそうでないモノの方が圧倒的に多い印象がある。
お守りは一個しか装備出来ないのに、使わないフィルターやレンズの強化お守りとかもらっても困るよなぁ、って感じ。
一応、照射の強化と装填速度が上がるヤツは交換してみたけど、装填速度が速くなる方は結構有用だと思いました。照射の方は試してません。装備しなくてもバカ火力なので。
ついでに言うと、フォトフレームとかはもうコレクションアイテムの類ですよね。
最終的にやる事がなくなった場合に、やっと交換してみるかぁ、って感じのヤツ。
そんな感じでポイントを使う先が魅力に薄いわりに、戦闘を回避する手段が乏しいんだよね。
原作ではちょっと走ったらすぐにデスポーンしてくれたのに、今作では結構追いかけてくる上、逃げていると霊力ゲージが減っていくのよ。
正直、霊力ゲージに関してはあんまり使い道がないからどうでもよいと思ってるんだけど(戦闘の際にないと困ることは多々ある)、追いかけて来すぎってきらいはあるよなぁ。
もうちょっと戦闘することに対するメリットをつけてくれると、戦闘に対するやる気も違ってくるんだけど、現状はそうでもないので、出来れば回避したい。
フィルムだって限りがあるんだし、〇七だけで対処するのも面倒だし。
なんか、この辺は上手く出来んもんかな、って思う。
双子人形を解放していけば、ポイント交換にフィルムが並びます、っていう感じだったらまたわからんけども。
次に使わない要素。
月下香って何のためにあんの、あれ?
一応、霊力の回復速度を上げるって説明文に書いてるけど、実感したことないし、そもそも霊力に頼った動きをしていないんだよな。
特殊レンズも別に使わなくても良いし、回避をする程度ならそれほど消耗しない。
一度押し倒されたら一旦回復するし、自動回復してるのもあんまりよくわかってない。
戦闘中でなければすぐに回復するし……これ、使い道あんまりなくない?
試しに何度か使ってみたけど、これがあって助かった! ってコトは一回もなかったね。
あと、御神水。今作でも万葉丸だけで充分な感じはある。
加えて、万葉丸はセーブポイントで交換できるアイテムにラインナップされてて、数少ないポイント交換の有効な選択肢だし。
あと、消耗アイテムではないけど、霊視フィルター。
一応道案内として使う事はあるけど、原作既プレイだとあんまり使わないよね、これ……。
戦闘中に何か有効な事があればいいんだけど、羽化相手には露出、他は照射で充分だしな……。
何か戦闘面で役に立つところがあればよかったね……。
そんな感じで一周目を終えた感想でした。
マジで良かったと思うよ、このリメイク。
不満点は些細なものだし、それを覆ってしまえるほどの良い点が多くあったと思う。
個人的には村を広く歩き回れるだけで神作です。ありがとう、コエテク。
追記(03/20)
飛び降りた女はしゃがみ状態で戦えば結構戦いやすかった。
澪の姿勢が低くなる事で、相手とも視線を合わせやすく、飛び込みを奥行でとらえやすい。
箱女は無理。どうしろってんだ。