今年ももう終わりですが、皆さんいかがお過ごしですか?
私はちょっと前からweb小説を漁ることを趣味にし始めました。
小説家になろうというwebサイトが有名ですが、俺が今、漁っているのはカクヨムとピクシブ小説。
カクヨムの方はなろうの後追いで、なろうよりも画一化されたジャンルばかりじゃない(ような気がしてる)。
ピクシブ小説の方はもう、魔境よ。
どちらも書き留めておきたいから、二つに分けて書こうと思う。
まずカクヨム。
これは先月末くらいから漁り始めた場所なんだけど、なんというか、マジでピンキリって感じ。
なろうと同じく、ランキングという形式で順位付けされたりしてるんだけど、必ずしも上位の作品が『まとも』かどうかはわからないっていうね。
これはなろうの方でも一緒だろう、と思ってるんだけど。(確認してないから知らない)
マジで二桁位の作品より三桁、下手したら四桁位やランク外の方がまともに文章が書けてるなんてことはザラ。アスランよりザラ。
どうしてこういうことが起こるかっていうと、どうやらカクヨムに限らず、web小説界隈では人気取りも重要らしい。
いや、これは別にweb小説に限ったことじゃないか。他のコンテンツでも変に人気な作者の作ったものが点数とるってことは良くあるわ。
ともかく、カクヨムでも評価される項目ってのがあって、プレビュー数やお気に入りの数なんかがそれに相当するんだけど、それをユーザー間でのなれ合いで送りあったりするのね。
そのおかげで作品の身の丈に合わない評価を得て、ランキングの上位に入ったりしてるらしいの。
んで、そういう作品ほどテンプレートな主人公最強だったり、今流行りっぽい悪役令嬢だったりするわけ。
そのうえで作文能力が欠如した作品だったらもう、何も言えないわけよ。
俺はカクヨムの機能である『レビュー』というのを使用して、良いところ探しの練習をしてるの。
気を抜くと悪口、悪評しか喋らなくなるから、そういう性質を幾分か矯正出来たらなと思ってさ。
だから、読んだ作品に対して『ここは良かったよ』というのをレビューに書いて、悪口は書かないようにしようと思ってたの。
でも、上記の身の丈に合わない評価を得た作品を読んだ時にさ。
マジで何も良いところがないの。
文章表現は下手。設定はガバガバ。アクション描写はグダグダ。キャラクターに魅力はない。展開に目新しさもない。
どこを評価しろっていうんだ……。
別に悪口書いても良いならそうするけど、カクヨムのレビュー機能はどうやら悪口を推奨していないらしくて。
じゃあもう書く事なんかねーよ、って思いながら、そういう作品は出来るだけ見なかったことにしております。
逆に、低順位のモノでもすげぇ光る作品があったりして、スコッパーと呼ばれる趣味人の楽しさがわかった気がするわ。
ああいうのが掘れると楽しい。
次にピクシブ小説。
こっちはカクヨムとは全く違う楽しみ方をしておりまして。
こっちはとにかく二次創作が多い土壌なので、そもそも作品の質が全く違うのだから楽しみ方も全然違うわけだけども。
それに加えて特筆すべきは、投稿者の年齢層の低さだと思うんだよね。
俺はとあるタグに張り付いて、そこに投稿されるSSをボチボチ摘まみながら眺めているんだけど、これがもう先述したカクヨムの『低レベルな作品』なんて比べ物にならないほど駄作、いやさ作品とも呼べない文字の羅列があるわけ。
これはこれで面白くてさ。
おそらくは学生、しかも中学生くらいの連中が書いてるんだろうなという文章を読んでいると、俺の言語野を破壊しつつ、一定の娯楽を届けてくれるの。
完璧に歪んだ娯楽ではあるんだけど、小学生の作文を読んで『頑張って書いて偉いねぇ』という、自分より極々下層に位置している人間を、遥か高みから見下ろすことによる優越感という。
俺ってあまり自己評価は高くないのよ。誰よりも勝ってる部分なんかないと思ってるし、劣ってる部分の方が多いと思う。
でも流石に中学生レベルの作文能力には負けない自負はある。
そのうえ、俺が観察しているタグにSSを投稿している有象無象に関しては、中学生レベルで考えても下の中ぐらいの作文能力しかないわけ。
さらに言えばオリジナリティのあるネタをひねり出す能力もないから、他の人が以前に書いたようなネタを劣化コピーしてお出ししてくる。
それがたまらなく愛しいのよ。
足元で頑張って作業をしているアリンコたちを眺めるような、子犬や子猫が親猫の真似をしようとして上手くいかない様子を眺めるような、そんな愛玩動物を愛でる気持ちが湧き出でるの。
たぶんだけど、俺が眺めているタグに頻繁にSSを投稿している連中も、そのまま文章を書き続けるような人生は送らないと思うのよ。
でも今この瞬間、足掻いて、藻掻いて、どうにか自分の満足できる形の文章が出来上がって、それを人目にさらすということ自体が、きっといつか糧になるから。
そう思いながら、俺はそいつらの晒す駄文を読み、鼻で笑い続けるのです。
振り返ってみても、我ながら酷い趣味だと思うわ。